Ref.5004 × Ref.3970
Ref.3970は2004年ごろ製造中止になり、その後人気も衰えない。
セカンドマーケットでも価格は若干下落傾向であるものの安定した人気を誇っている。
Ref.5004はRef.3970にスプリットセコンドクロノグラフ機構を加えたもの、といえば簡単だが、その分厚いケースが醸し出すプレゼンスは常軌を逸している。
Ref.3970のサイドビュー、ベゼルはコンケーブ。カーブを描くラグが美しい。
ある種完成されたデザインとはこのことだろう。
Ref.5004のサイドビューは見る者を圧倒する。
尋常でない厚さは、スプリットセコンドクロノグラフ機構を収納するための産物であるが、理屈ではないなにかを感じてしまう。
ベゼルはわずかにバブル型で、Ref.3970と比較してもケース本体の厚みはそれほど差異はない。
スプリット機構はムーブメント最背面に配置されるのでグラスバックの裏蓋が厚くなっているのだ。
さらによく見るとラグのカーブがまるで違う造形となっている。
これはベゼルのデザインの違い、厚くなった裏蓋、それらのバランスをとるためにトータルに意匠を決めていったのだろう。
かろうじてカタログモデルにとどまっているが、いま最も入手が難しいモデルの一つである。
by pp5396 | 2009-07-10 03:56 | PATEK PHILIPPE | Trackback | Comments(0)