Lecoultre Repeater SplitSecond Chronograph

1833年、アントワーヌ・ルクルトによって設立されたlecoultre社は1866年、ジュウ渓谷におけるマニュファクチュールのパイオニアとして発展していく。

社名は、Lecoultre&Cieとされた。

1930年頃まではPATEK社にムーブメントを供給していたことでも有名である。

特に長い冬に閉ざされる地域性により複雑時計の製作に特色を見いだしていった。

この時計はおおむね、1900年前後に製作された複雑懐中時計、ケースはローズゴールド製だと思われる。

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現在のJaeger-LEcoultre社の正規オーバーホールによってよみがえった機能は恐るべきものだった。

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ダイアルは焼成エナメル製と思われるが、肉眼でニュウは見られない。

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ミニッツリピーターとスプリットセコンドクロノグラフ、この機械式時計における2大機能を一つのケースに収めることは至難の業と言っていい。

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ムーブメントは、ミニッツリピーターをベースとして、その背面にスプリットセコンドクロノグラフの機能を付加しているようだ。

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ハンターケースは、クラウンをプッシュすることで開くことができる。

ミニッツリピーターは一般的なレバー式である。

レバーを引くとジー、という音とともに2つのハンマーが刻を知らせてくれる。

通称「クルクル」と言われる調速機能が搭載され、完成された機構を持っているが、リピーター音は上品で、ケースから想像するよりやや小さい。

おそらくそれだけケースの厚みがしっかりしているのではないだろうか。
一般にはケースが強固であればあるほど共鳴しにくいと言われている。

クロノグラフは2ボタン式となっていて、スプリット機構も完璧な動作を見せる。

特筆すべきは、ケースバックも2重となっていて、外ケースを開くとグラスバックからムーブメントの動作が見える仕様になっていることだ。

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これは明らかに、ムーブメントを見たいというオーナーの要望で購入時に特注されたか、後世の好事家が改造を施したに違いないが、仕上げの美しさからいって前者だと思われる。

オーバーホールに2年近くもかかったというこの時計は、オーナーの元で幸せな刻を刻んでいくのだろう。

人生の節目でリピーターを鳴らすとき、時の流れはどう感じられるのだろうか。

  by pp5396 | 2009-07-24 03:32 | Others Watches | Trackback | Comments(0)

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