Strap in the bar
現代では機械化が高度に進み、オートメーションの恩恵を得て高度な仕上げを数多くの製品に施すことが出来るようになっている。
しかし、Vintage PATEK PHILIPPEが製造された時代、機械化はすでにある程度の水準に達していたが、そのコントロールには必ず人の手を介在させる必要があった。
それ故に、プロダクトには品質、価格をもとにヒエラルキーが構成され、一握りの顧客が素晴らしいタイムピースを手にすることが出来たのだろう。
日本語では「バネ棒」と称されるこの部品を見ても、プロダクトとしての水準の高さがうかがえる。
ケースと同素材を使い美しいヘアライン仕上げがなされた胴の部分や、貫通式のケースに使用されるため見えかかりとなる先端を美しく研磨した姿は、それ自体一つの作品といってもいいだろう。
また、貫通式でないものには取り外しを容易にする「突起」がついているものが多くあり、その造作も美しい。
こちらは現代のパーツだが、PATEK PHILIPPEらしくその仕上げには隙がない。
ローズゴールド製のバネ棒
プラチナ製の時計にはホワイトゴールド製のバネ棒が使用されている。
比較してみると、加工精度では現代のパーツが勝るようだが、味わいという点ではVintageのパーツに軍配があがるような気がするのは筆者だけだろうか・・・
by pp5396 | 2011-01-11 12:10 | VINTAGE PATEK PHILIP | Trackback | Comments(2)
私も少数ですが集めているのですが、初めてストラップを自分で交換しようとしたところ、貫通式でないにも関わらず「突起」がついていないタイプのバネ棒でした。
専用の工具の購入を考えているのですが、上記の様なタイプの場合どのような工具を使われていますか?
BERGEON 6111などの幅広のY型工具が調度いいのではないかと考えているのですが、プロの方はどのようにされているか知りたく書き込ませて頂きました。
アドバイス頂ければありがたいです。よろしくお願い致します。
突起のないバネ棒でも、交換のために段差が設けられており、仰るような工具でバネを縮められる様になっています。
慣れた方はドライバーでも可能ですし、コジアケで作業される方もいます。
ただし、時計は繊細なものですのでプロの方にお任せすることをお勧め致します。ご自身でされる場合はあくまで自己責任でとお考え頂けましたら幸いです。