Ref.565
ごくまれに1930年代後半に製造された個体も見られる。
直径35mmとVintage Modelとしては大型であることや男性的な造形も相まって、欧米のVintage PATEK PHILIPPEファンに非常に人気が高い。
コレクションとしてだけでなく、スクリューバックを持つウォータープルーフケースであることから日常的な使用も容易にしている。
ムーブメントは大まかに分類すると、スモールセコンドを持つものには、cal.12-120が搭載され、後期型になるとcal。12-400となる。
センターセコンドのモデルは、当初indirect sweep centre secondsのcal.12scが搭載されたが、その後はcal.27scが使用された。
アピアランスはケース上面にベゼルの造形が無く、風貌の周りがわずかな幅で内側にテーパーがつけられている。
ラグまでなだらかな曲線を持った1つの面で構成されているため、迫力のある印象を与える。
対照的にケースサイドはエッジの効いた垂直面となっており多くの場合ヘアライン仕上げとなっていることもあって、コントラストの強い印象を受ける。
最も特徴的なディティールは、いわゆるマッシュルーム型と称されるクラウンだろう。
ドーム型のトップを持つこの部品は、いくつかのバリエーション(あるいは年式による差)を持つものの、他のモデルにはほとんど見られない仕様で、Ref.565のアイコンとなっている。
同様のクラウンを持つモデルは、ウォータープルーフケースを持つクロノグラフRef.1463やBIGカラトラバのRef.2508などがあるが、それぞれに特徴のある造形となっているようだ。
ケース素材はYG、RG、SSなどが見られるが、なかでもSSのモデルは価格が高騰している。
ダイアルもバリエーションが豊富で、2トーンやBlack Dial、ブレゲインデックスを持つものはオークションなどで思わぬ価格をつけることがある。
またSSケースにGay Freres 社製のブレスレットを組み合わせたものは非常にコレクタブルで人気が高くなっている。
ユニークダイアルも数多く見られ、もしかするとまだ世に出ていないデザインがある可能性もある。
2006年にPATEK PHILIPPE GENEVA SALONのリニューアル記念モデルとしてリリースされたRef.5565がオマージュとしたダイアルデザインもよく知られている。
意外にオーソドックスなバーインデックスとドルフィンハンドを組み合わせたものは少なく、ダイアル径が大きいことも相まって華やかな印象を与える。
screw back CaseであるためVintage Watchでありながら使いやすく、ダイアルヴァリエーションも豊富で、クラシックなスモールセコンドモデル、スポーティーなセンターセコンドモデルと選択肢が広く、人気があるのも頷けるタイムピースである。
by pp5396 | 2011-01-07 00:17 | VINTAGE PATEK PHILIP | Trackback | Comments(0)