Engine 2 !
ヴィクトラン・ピゲとのコラボレーションによってcal.12-120を改良した、cal.12SCの登場である。
これは、4番車(スモールセコンドで秒針がついている歯車)を出車として、新たにブリッジと中継車を介してセンターセコンドまで動力を伝える、"インダイレクト式"と呼ばれるユニークな輪列構造をもったムーブメントであった。
1950年頃まで4,357個が製造され、Ref.96、570、565、1491などに搭載された。
次いで、1949年にはcal.27SCが発表になり、1970年までに12,879個が製造されている。

このキャリバーは当初から4番車をセンターに配置し、センターセコンド専用のムーブメントとして開発されている。
Ref.565、570、1491、2555、2508などシンプルな3針時計に採用されたほか、永久カレンダーモジュールを搭載し、Ref.2438や2497のベースムーブメントにも使用された。
ダイレクト式の特徴として伝達効率化が格段に優れ、精度が安定していたことが長年製造された理由の一つだろう。
バランススプリングはブレゲスプリングとされ、マイクロレギュレーターもホイップ型だったcal.12SCと異なり、スワンネック型に変更されている。
cal.27SCは、cal.12SCにくらべ、ダイレクト式の輪列を構成するブリッジの高さが増した分、ムーブメントの厚みがでたことで、ケーシングに際してマッシブな印象のデザインとなることが多くなった。
同じリファレンスで、年代により上記2つのムーブメントを搭載するものもあり、比較してみると面白いのではないだろうか。
by pp5396 | 2011-01-17 19:36 | VINTAGEPATEKPHILIPPE | Trackback | Comments(8)

個人的には、非常にユニークな輪列構造をもつ12-120scに魅力を感じます。
それも、96よりも大きなサイズの570や565にcase inされたモデルでの運針がたまりません。
rareなだけにコンディションの良いものが少なく高価なのが残念ですが・・・。
コメントありがとうございます。
cal.12SCはcal.27SCの3分の1ほどしか数が造られていませんし年代が古いので、いい状態で現存する時計はどうしても高価になりますね。
また、PATEK初めてのセンターセコンドムーブメントという付加価値もコレクターの心をくすぐります。
かくいう私も、cal.12SC搭載の時計は大好きです。
ムーブメントの輝きからも歴代のオーナー様にいかに大切にされ愛されてきたかが伝わってきます。
きっと、幸せな歳月を重ねてきた作品なのですね。
このラグ形状で寸法精度が維持されている事、ホントに驚嘆です。
ラグ裏の仕上げは、あえて打ち放しの様な状態にホールマークだけを刻印しています。
ベゼルのラインがシャープに残っていることから見ても、大切に使われてきたのだろうと想像されます。
この"ラグ"の造形に注目して頂けるととてもうれしいですね。ムーブメントを撮影しながら、ラグも見て頂きたいとの気持ちを汲んでくださりありがとうございます。
また画像ではお伝えできなことの一つに、Crownを巻き上げる感触がとても素晴らしいのです。
Crownを一段引き、針合わせをするときのギアの感触も実に精密な感じでたまりません(笑)
ギアー間に遊びが無いというか滑らかというか。
個人的には、この感覚、唯一、完璧に調整された手巻きPATEKのみでしたか経験した事の無い感覚です。やはりこの作品は、数十年の間、愛され続けてきたのですね。
さすがに鋭い考察です。
バックラッシュのほとんど無い、ギアの面圧を僅かにしっとりとした"何か"が和らげている、あの感じです。
普通の3針であっても、感覚に訴えてくるTIMEPIECEです。
リンク頂ありがとうございます。拙ブログでもリンクさせて頂きました。
5070、5980いいお時計ですね。
特にレマニアの機械はきっとコレクターズアイテムとして愛されていくと思います。
今後とも宜しくお願いします。